ザ・コピーライティング ― 心の琴線にふれる言葉の法則
「いまから12年前のこと──毎晩、むさぼるように本書を読んでいた。
ベッドのなかで眠気に意識を失うまで、手放さなかった。目覚めても、開かれたままのページに舞い戻った。それだけ本書に没頭したのは、当然だった。
飛び込んでくる言葉は、通常の、気の利いた言葉ではない。 1語1語が、収益を生むことが科学的に検証された言葉だという。 計画数値の必達にあえぐ、外資系企業の代表者であった当時の私にとってみれば、魔法のような本だった。 (中略)
エクゼクティブ・コーチングに参加したクライアント数は、5年間で1万人超。
日本におけるダイレクトレスポンス・マーケティング分野における最大組織となって、大成功する企業家やベストセラー作家を続々と生み出した。 自社の売上にして30億円。クライアントが生み出した売上を考えれば、おそらく500億円は下るまい。
この実績を残すことができたのは、私に特別な能力や才能があったわけではない。
すべてはケープルズが70年以上も前に実践・検証していたことである。
私のマーケッターとしての実績の大半は、本書に書かれている言葉を自分なりに工夫することで、得られたのだ。
いま、改めて読み返してみても、本書は宝の山だ。 いや、いまだからこそ、さらに価値が高まっていると言えるだろう。 なぜなら、本書に挙げられているコピーは、インターネットが普及した環境で、より効果的に使えるからである。(中略)
本書の読者は、言葉の力を知ることになるからこそ、その力を何のために使うのかを、読む前に、そして読んだあとに自問してほしい。
そして、その答えは、まさにケープルズが、本書の最後に引用した言葉──「広告とは、教育である」──から読み取れる。
広告を打つということは、数万人に言葉を発する教師であると自覚したとき、読者は自社のために売上を上げながらも、よりよい社会の礎となる言葉を、選択することになるだろう。
そのとき、おそらくレスポンス広告は、新しい時代における真の役割を見出すだろうし、その言葉がきっかけとなり、私たちの意識を大きく変容させることになるに違いない。
現実は、どんな言葉を選択するかで、創られる。言葉の力を知った者は、創造者としての責任も同時に負うのである」
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