日本ヒューレット・パッカードは2008年11月25日、4万9980円のネットブック「HP Mini 1000」を発表した。ファッションデザイナーのビビアン・タム氏がデザインした女性向けモデルで、他社との差異化も図った。価格競争が激化するネットブック市場。女性ユーザーを取り込むことで、新たな需要を掘り起すのが狙いだ。10.2型ワイド液晶を備える。厚さが25.9mmとスリムなのが特徴だ。12月上旬から同社のオンラインストアで発売する。

日本HPが12月上旬に投入する「HP Mini 1000」。写真は2月発売予定のビビアン・タム氏がデザインした「HP Mini 1000 Vivienne Tam Special Edition」(画像クリックで拡大)

 「インターネットの世界の半分は女性だが、我々の業界ではそれを忘れがちだ」。そう語ったのは米ヒューレット・パッカードでシニアバイスプレジデントを務めるサティーブ・チャヒール氏。同日、東京都渋谷区の表参道ヒルズで開いた記者発表会では、ニューヨークから駆けつけたビビアン・タム氏と共に登壇し、コラボレーションの経緯や狙いを説明した。

 中国出身でニューヨークを拠点に活躍するビビアン氏。アジアと西洋文化を融合した国際色豊かなセンスが、海外でのビジネスが70%を占めるヒューレット・パッカードのビジネスモデルと重なることなどが、コラボレーションの理由だ。「色とパターンに注目してほしい」とビビアン氏。真っ赤なボディーで、天板には大きく桃色の芍薬(しゃくやく)が描かれている。角に丸みを持たせた形状も同氏の意見を反映したものだ。ビビアン氏がデザインしたモデルは来年2月に発売予定。価格は未定だが、「通常モデル並みの価格で提供したい」(日本HPパーソナルシステムズ事業統括、モバイル&コンシューマビジネス本部の菊地友仁プロダクトマネージャ)という。

 「コンピューターパーソナルアゲイン」をキャッチコピーに、個人向けパソコン事業を推進するHP。競争力を高めるために低価格化を進めるのと同時に、デザインにも力を入れてきた。塗装ではなく樹脂に模様を施すインプリント加工を他社に先がけて採用し、左右非対称の柄を天板などに施した。HP Mini 1000の通常モデルは黒で、天板には渦をイメージした模様を施している。

ファッションデザイナーのビビアン・タム氏と米ヒューレット・パッカードのシニアバイスプレジデント、サティーブ・チャヒール氏(画像クリックで拡大)

ビビアン・タム氏がデザインしたモデルはキーボード面も赤。エンターキーには「喜」という文字を2つ並べた文字が印刷される。日本語版にも印刷される予定だという(画像クリックで拡大)