米Hewlett-PackardがノートPCのオプションに米Boston Powerのリチウムイオン・バッテリー「Sonata」を加える。HP Enviroバッテリーという名称になる見通しで、2009年前半より米ノートPCベンダーとしては初めて3年間の保証付きで提供する。価格は未定。
Sonataは2007年1月にDEMO 07で技術デモが披露された新しいリチウムイオン・バッテリープラットフォームだ。セルの構成や接続方法、セル内の化学反応処理などを根本的に見直し、安全かつ長寿命なリチウムイオン・バッテリーを実現した。Boston Powerによると、通常のノートPC用リチウムイオン・バッテリーは300回程度の充放電で電池セルのパフォーマンスに低下が見られるが、Sonataは約1000回の充放電に耐えられる。充電時間は30分でバッテリー容量の約80%に達する業界最速レベル。また独自の電流制御回路、新型の温度ヒューズ、圧力制御通気弁などによって放熱を抑え、安定したパフォーマンス、高い安全性を確保している。一昨年後半に一部のノートPC用リチウムイオン・バッテリーの異常加熱や発火の危険性が問題になったこともあり、当時Sonataの登場は大きな注目を浴びた。
HPはSonataをグリーン・オプションとして提供する。Boston Powerによると、ノートPCを頻繁にバッテリー駆動させるユーザーの多くは1年に1個のサイクルでバッテリーを新しくしている。Sonataの場合はビジネスデーに1日1回の充電を繰り返しても3年間はパフォーマンスが維持される。ヘビーユーザーの多くは、その間にノートPCそのものを新しくするためバッテリーの買い直しが不要になる。HPはSonataに3年間の保証をつけることで、「ノートPCのライフスパンを1個でカバーできるバッテリー」をアピールする。
なおSonataは通常のノートPC用リチウムイオン・バッテリーと同じドロップイン・フォームファクタを採用しており、システムをSonataに対応させる必要はない。互換バッテリーさえ用意されれば、既存のノートPCで使用できる。
■バッテリーはモバイル端末の最大の課題だと思います。個人的に一番解決して欲しいのは、重さです。