文:Rafe Needleman(Special to CNET News.com)
翻訳校正:編集部
2008/09/02 10:54
Googleのオープンソースウェブブラウザ「Chrome」用のサイトが、少しずつその歩みを進めている。本稿の執筆開始時点で掲示されていたのはロゴ、1枚のスクリーンショット(下図参照)、ビデオへのリンクとダウンロードへのリンク(ただしビデオはうまく動かず、ダウンロードへのリンクも機能しなかった)だった。もっとも、現在このページにアクセスすると、google.comにリダイレクトされる。
Googleは米国時間9月2日午前11時より、カリフォルニア州マウンテンビューの本社で記者会見を行う。筆者は記者会見に出席し、米CNET Newsにてライブブログをアップデートする予定。

サンフランシスコ市中心部から高速道路を南へ約30分。「ITの聖地」だからさぞかし近代的な高層ビルが立ち並んでいるのだろうという期待は見事に外れた。バスの車窓から広がるのは黄色い草原と、ところどころに森。やたらと天気が良く、雲ひとつない。「シリコンバレー」の地名の標識も一向に出てこないし、そもそもバレーは谷っていう意味じゃなかったっけ? ビルが立ち並ぶ東京の大手町から来た私は不安になってきた。
さらに森を進むと1軒2億円!の高級住宅街が現れる。その中にさりげなくある1軒が「シリコンバレー発祥の地」だ。スタンフォード大学でともに学んだビル・ヒューレット氏とデイブ・パッカード氏は1938年、パッカード夫妻の下宿先だったパロアルト市の住宅街にあるガレージで起業した。銘板がなければ「伝説の地」と気づかないほど地味だ。
社内でビデオ「オリジン」を見た。「プロジェクトX」のノリで約20分も続く2人の友情とサクセスストーリーだ。ガレージで発明した最初のヒット作「オーディオ発振器」がウォルト・ディズニー社に採用され、映画「ファンタジア」の音響に使われるなど逸話が満載。社員ピクニック大会で社長がステーキを焼いてふるまったエピソードは心が温まる。アメリカは個人主義と言われているが、成功する企業は人を大切にするのだと妙に納得してしまった。非正規雇用などさまざまな職種が入り乱れ不機嫌が蔓延する日本企業に比べて、HPのほうがよほど日本的ではないかと思った。
世界的な建築デザイナー設計の本社オフィスも環境に配慮している。木材ももちろんリサイクルだ。散策していると鳥のさえずりも聞こえてくる。社員用カフェテリアのメニューもオーガニックに徹底的にこだわっている。食材は周囲150マイルから調達した食材しか使っていない。世界トップレベルのエンジニアだけが堪能できるエコなワークスタイル。私は12種類もあったジェラートの味見ができなかったのが今でも残念だ。